結城くん、さほど興味なさそう。


……あれっ?


「最近読んでる文庫はね、『恋するキャンディ』っていう話なの。

ヤンキー当麻がカッコよくて……」


「……ヤンキー?」


結城くん、一瞬目を見開いてる。


「あっ、あっ……。お話だから!ちょっと悪っぽい人がカッコよく見えるっていうか……」


……あれ、墓穴ほってる?


「……菅沼さん、意外とアグレッシブ?」


「あはは、小説読んでると、色んな世界に没頭できるから……」


ヤンキーとの恋に、アイドルとの恋。


みんなカッコ良くて、朝から無駄にドキドキ心拍数上がりっぱなしなんだから。