「代わりに、光ちゃんが今読んでるヤツを、オレに下さい」


えぇっ?なんでぇ?


勝手にカバンを漁られる。


「や……やめて下さい」


「いいだろ。二冊同時なんて集中できないし。

きっとさっきの小説読んだら、お兄ちゃんが恋しくなるはずだよ」


なーりーませーん!!!


「やめて下さいっ」


「そんな事言わずに……なぁ」


キャーッ!!


なに、この人。


体を密着させ、私の背中に腕をまわしてくる。


「……やめてぇ」


顔が近くて怖すぎっ!


「騒いだら人が変に思うだろ?」


突然、グッと手を、引っ張られた。


あぁ……もう、ダメ。