良かったぁ……。


もしかしたら、これは辛い選択なのかもしれない。


だけど……


また毎日、朝の電車で結城くんと会いたいよ。


「おはよう」


だけでもいいから……交わしたい。


「……ありがとう。じゃあ、友達として。

これからもよろしくお願いします」


軽くうつむいて、結城くんに手を差し出した。


……握手だもん。


変な意味ないし……。


「菅沼さんが嫌だって思ったら……オレから離れてくれて、全然いーから」


結城くんはそう言った後、


私の手に、軽く触れた。


バスに乗ってた時のように


その手にはもう……


温もりはなかったんだ。