私は、電車で帰るから。


最後に、結城くんに「好き」って伝えたかった。


それにね、告白した後……


どんな顔していいかなんて、わかんないもん。


ガタッ


って音がして、バスの扉が閉まりかけの時


結城くんが突然バスから飛び降りてきた。


……えっ!?





「一緒に、帰ろ」





その言葉に導かれるように、再び開いたバスに


二人で乗り込んだ。


一瞬のうちに起きた出来事が、あまりに唐突で理解できないんだけど、


これだけははっきりしていた。





私の右手は、結城くんに繋がれていて……


何か言いたげに、ギュッと……


固く握ってくるその手は


すごく温かかった……。