結城くんの頭の中に残る最後の私は、笑顔でいたい。


そう思うのに……


うまく笑えない。


頭の中はグチャグチャで、混乱してる。


今は……涙をこらえるのが精一杯で。


「菅沼さん……オレ……」


結城くんが歯切れ悪い感じで何か言おうとしてるんだけど、


ちょうどやって来たバスの後ろ扉に、結城くんを押し込んだ。


「……結城くん。ここでバイバイだよ」


「……え?」


そうしようと思ってたんだ。


早く帰りたそうにしてる結城くん。


心ここにあらずってのが、見え見えなんだもん。