緑との電話を終え、菅沼さんの所へ戻る。


「結城くん、飲み物冷めちゃったよ?新しいの注文する?」


「いや。あのさ、悪いんだけど。……帰っていーかな」


「……え」


こんなの、すげー失礼だってわかってる。


菅沼さんに、相談するのにこの店に入ってきて


しかも今度は自分の都合で帰りたいなんて……。


けど、ごめんな。


今のオレには、ココでゆっくりしてる余裕なんてなくって。


菅沼さんは、オレを見て一瞬迷った顔をしたけど、


すぐにいつもの優しい笑顔を見せてくれた。


「うん。帰ろう」


って……。


菅沼さんはいつだって嫌な顔をしない。


相手を安心させる、その笑顔に……


罪悪感が芽生える。