――ガタンッ、プシュー。


電車がある駅に停まり、扉の向こうに……


その彼の姿が見えた。




柔らかそうなサラサラの黒髪に、奥二重の切れ長の瞳。


整った顔とスタイルの良さは、たくさんの人の中にいても、目を奪われる。


いわゆるイケメンの部類に入る彼だけど、全然チャラけた雰囲気はない。




そこがまた……いいんだよね。


カバンを肩にひっかけ、


片手に本を手にしている。