「結城くん!私、推理小説が欲しい。おすすめって、どれ?」


結城くん、なんとなく話が長そうな気がした。


普段あまり話さなくても、好きな分野の事に限ってよく喋る人っているよね。


そういうタイプだよ、きっと。


そしたら会話がすごーく弾みそう!





ミステリー特設のコーナーへ行き、


結城くんのとなりでワクワクして待っていた。


「……これ。あと、これか、これ」


え。


結城くん、なんの説明もなしに、本の表紙だけを指さす。


「最近一番よかったのは、これかな」


それだけ?