「この曲練習してる光が一番苦しそーだったからな。

けど、抜けた途端……練習楽んなったろ?」


「うん……」


「あの頃さ、本当に光ピアノ辞めんじゃないのかなー。もったいねぇなーって思ってた。

けど、辞めなかったからこそ、今がある。

結城の事も、諦めるなら……ちゃんと気持ち、伝えてからにしろよ?」


「うん、わかった」


「もしかしたら、結城が心変わりするかもしんねーし?」


「えっ、そんな事、あるかな!?」


「あんじゃね?世の中、予測不可能な事……結構あるぜ?」


「それって、二股かけられるって事?」


「いやいや……。そういう男じゃなさそうだから……光は好きになったんだよな?」


うん……。


まぁ、そうなんだよね。