「本当に…今日はずいぶんとご機嫌よろしいようで………」
十夜パパは直もにこにこ笑ってお祖父さんに話しかける。
「………??」
あたしはよく訳がわからなくてひたすら目をぱちぱち瞬いた。
それを黙って見ていた十夜がククッと笑いながらあたしにソッと耳打ちした。
「…おまえに会えてみんなすげぇ嬉しいんだよ………。」
「………!」
十夜の顔を見つめれば、嬉しそうな極上の笑顔で頷いてくれた。
どうして、会ったばかりのあたしを
ここの人達は、本当にまるごと受け入れてくれるんだろう……。
それが不思議で…………あたしは声も出せなかった。
――――そしたら
「……私やここの者達は皆、十夜の《運命の花嫁》を疑わない。
君の人となりは十夜が選んだ時点で素晴らしい事を信じている……」
「………っ。」
あたしの戸惑いを感じとったかのように、十夜のお祖父さんは穏やかな声音でそう言って
――――優しく微笑んだ。
あたしは、ここの人達に恥じないような人になりたいと心から思った。
それは……あたしを選んでくれた
――――十夜のためにも。