その言葉にビシリ!と固まり、あたしは動けなくなってしまった。
その圧倒的な存在感に臆してしまう……。
そんなあたしを見つめて、十夜のお祖父さんはク…ッと笑い
「それほど緊張せずとも……取って食いはせぬよ。」
「………!」
目尻にしわがより、鋭い瞳が微かに和らぐ
その笑い方はほんとに十夜によく似てて……。
あたしの金縛りは途端にとける。
「……はじめまして。天宮祈咲です。」
ペコリと頭を下げて何とか挨拶出来た。
「私は真神夜一(マガミヨルヒト)と言う。
…十夜の祖父だ。」
心なしか優しげになった声にまた少し緊張がとけていく。
安心のせいかあたしに少し笑顔も戻る。
「……ふむ。」
それを見ていた十夜のお祖父さんは顎に手をあて、あたしの顔をじっと見つめ
「…なるほど。確かにこれは曾孫の顔が実に楽しみになる。」
「…はい??」
その意外なセリフにまたもやポカン……。
横では十夜のお父さんがクスクスと楽しそうに笑っていた。