「……これは仲の良いことだ。」



「………!?」



急に聞こえた穏やかな声にあたしはバリっと慌てて十夜を引き剥がす!



あたし達を見つめてにこにこしているその人は……



「はじめまして。十夜の姫君。これはまたずいぶんと愛らしいねぇ。」



「………!」



白い雪のような髪に、面白そうにあたしを眺める、まるでルビーのように赤い瞳……!



お祖父さんと言うには若すぎるその美貌の男の人……。



「…おや?固まってしまった。う~ん、可愛いねぇ。」



言葉も出ないあたしをひたすらにこにこして眺めてる。



「固まったじゃねぇよ…。いつ帰って来てたんだ?

……親父。」



「ついさっき。十夜が花嫁を連れて来てるなんて聞いたものだから…急いで帰ってきたんだよ?」



…お…、



「十夜の姫君、改めてよろしくね。

私は真神雪夜(マガミユキヤ)。

…十夜くんのお父さんです。」



にっこり笑顔のこの綺麗な人が…



「……おとーさん……?」



おにーさんじゃなくて……??



「うんうん、いいねぇ。

出来たらパパと呼んでくれたらもっと嬉しい…」



パパ……っ!!?









「若ぁ……っ!!」



思わずビシリ!と指差した。









「おお、ツッコミどころはそこだったか。」



そんなあたしに対して、十夜は暢気に呟いた。