十夜のお祖父さんのお部屋はお屋敷の一番奥で…………
一番デカかった………。
落ち着いた佇まいの広々とした和室……。
飾られてる絵や壷なんかの骨董品も何とも言えないセンスの良さだった。(あたしにその価値を見極める目はないけど)
もうバクバクしながら薦められたソファに座り、それでもぜんぜん落ち着かなくて、十夜の服の裾をぎゅっと掴んでいた。
「そんな緊張しなくて大丈夫だぞ……?」
ガッチガチなあたしを落ち着かせるように、十夜は優しく顔を覗き込んでくる。
「…………でも、あたし…十夜のお祖父さんに…嫌われたく、…ないの」
恥ずかしくて、うつむいたままぼそりと言った。
「…………それ、俺のじいさんだからって…ことか……?」
「~~~~っ!」
相変わらずストレートに聞いてくるんだから……っ!
チラ…と顔をあげると黒い瞳をキラキラさせた十夜が嬉しそうにあたしを見てる。
もう……!
ほんとに、敵わないなぁ………。
「………当たり前だよ…」
「~~~っ!!!」
すっごく素っ気なく言ったのに、
十夜はあたしをぎゅうぎゅう抱きしめて………!
「………っ、おまえはほんとに可愛い……!!」
「~~~~!!?」
ストレート過ぎて……………あたしの心臓もたなくなっちゃうよ………………っ