おまけにさっきから、運転手さんもそうだったけど……
「あ…あの……」
「「何なりと……!姫君……!!」」
恐る恐る口を開いたあたしに一斉に身を乗り出してくる。
そんなキラキラした目を向けないでください……!
「えっと…姫君は…ちょっと……その、慣れないので……」
勘弁してほしいと続けようとしたら
「なんて奥ゆかしい!!」
「………っ!?」
「やはり若様の《運命の花嫁》だ…!」
「…………。」
きっと何を言っても駄目だ……。
その瞬間、あたしは覚ってしまった。
十夜の花嫁って……凄いんじゃないだろうか……?
なにこの盲目的な感じ……。
呆然とするあたしに
「失礼しました。あまりにお可愛らしいものですから……」
そう言って中でも落ち着いた雰囲気の優しげなイケメンさんが微笑みながらあたしに話しかけた。
物腰も柔らかくて中性的な綺麗な顔をしてる。
まるで夕陽みたいな暖かな橙色の優しい瞳が印象的だった。
「人の花嫁あんまりいじめるなよ。
まぁ、可愛いのは認めるけどな。」
それまで傍観していた十夜が訳が解らず固まってるあたしの頭をぽんと叩くと苦笑しながらそう言った。