玄関を出ると
「どうぞ、姫君。」
「は……、え……っ?ひめ……??」
あたしを待っていたのはうやうやしく車のドアを開けるイケメン運転手さん……!!
し…しかも、
これ……ベンツ?
ベンツですよねぇっ!?
思わずくらりと立ちくらみが……。
「結構遠いからな……。祈咲?」
「…………っ。」
お坊ちゃんだ……!
この狼、間違いなくお坊ちゃんだ……っ!!
十夜よって車に押し込められてシートが革だー…とか、ふかふかだー…とか思っている間に
車は静かに停車した。
「姫君、到着致しました。」
そして運転手さんの爽やかな声によって覚醒した。
――――ガチャ…ドアが開かれ、あたしは十夜に手を引かれて車の外に足を踏み出した。
「ようこそ。真神家へ………。」
「…………!!」
目の前に広がる馬鹿でっかい塀があたりに張り巡らされたそこは
家というより小さなひとつの町のようだった。
純和式な佇まいで、なんとも厳か。
ドーンとそびえ立つ門には格式ありそうな《真神》の表札。
十夜と共に恐る恐るそこをくぐり抜けると
「今帰った。」
十夜の一言で、ズラリと男の人達が立ち並ぶ。
「………っ!?」
どこからともなく現れた男の人達………みんなイケメン揃いなんですけど……!!
真神の遺伝子って美形な家系なの………??
ズラリ立ち並ぶいずれ劣らぬ美形さん達にあたしは目をぱちぱち瞬いた。
つい、高級ホ〇トクラブってこんな感じ?…なんて思ってしまったり……。