「いや~改めてよろしく!
俺は真神灰斗!
噂の姫君ちゃん、スゲー美少女だなぁ……!」
マガミカイトと名乗った男は、ニコニコと笑顔いっぱいであたしの手を掴んでぶんぶん握手をした。
萌花にひっぱたかれたショックなんて微塵も感じない。
だけどその頬にはくっきりと萌花の手形が………。
おおらかと言うか、図太いと言うか
「さすが十夜の従兄弟だよ………。」
「…………。」
思わずつぶやくあたしに十夜は心底嫌そうな顔をした。
萌花は腕組みをしたままそっぽを向いていて、女神様は未だにオカンムリだ。
「怒るなよ、萌花~。嬉しくてさぁ!つい我慢出来なくなって~!」
「誰が呼び捨てしていいって言ったのよ!?」
「いーじゃん別に。俺は2年も萌花を探してたんだぞ?
やっと俺の《運命の花嫁》を見つけたんだ!」
「…………!!?」
無邪気に喜ぶ灰斗に、萌花は「訳わかんないっ!!」と本気で憤慨した様子だけど
あたしは衝撃をくらっていた。
まさか萌花まで人狼の《運命の花嫁》なんて………!!
「アイツの感じた直感はコレだったのか………。」
十夜がはしゃぐ灰斗を見ながら納得したようにつぶやいていた。