「あたしほんとにいていいの~?」
――――放課後。
校門の前であたしは萌花と一緒に十夜を待っていた。
「むしろいてよ…何か一人で待つの無理だよ~……。」
あたしの情けない顔に呆れた顔の萌花はあたしの髪をいじりながら
「それにしても気になるわねぇ…なかなかにハッキリしたあの男が理由もはぐらかしてるなんて………。」
そう言いながら渋い顔を見せる。
「でしょ?なんからしくないってゆうかさ………」
「…………。」
何だか考えこんでいた萌花はハッと顔を上げると、あたしの肩をガシっと掴んだ。
「………まさか……!いい加減ガマン出来なくなっちゃって、あんたをどこかに連れ込もうって言うんじゃ……!?」
「そんな訳ないでしょ!!?」
あんまりなことを言い出した萌花にあたしは顔を真っ赤にして反論した。
「それもそうね。
それならあたしもいていいなんて言う訳ないか。」
あっさり納得するとまたあたしの髪をいじり出す。
あたしは、はぁ…と小さなため息をついて相変わらず晴れないモヤモヤを押し込めながら十夜を待った。