――十夜――




教室で一番仲がいいらしい鈴木萌花と楽しそうに笑い合う祈咲を見る。



俺が見つけた



俺の――花嫁。



出逢って一週間……



俺は毎日逃げるアイツを追いかける。



耳も勘もいい俺はすぐに見つけられる。



わかってるくせに懲りずに逃げる可愛くて憎らしい花嫁。



戸惑う困ったような顔も可愛くて堪らねぇけど……



俺だって



――――おまえの笑顔が見たいんだ。



はぁ…と思わずため息がもれる。









《運命の花嫁》がこれほど自分を狂わせるものなんて信じてなかった。