一瞬、耳を疑った。 「十夜……何…言って……」 「すげぇ………眠てぇんだ……早く……俺が、ちょっ…と……休む………前に……」 途切れ途切れにしゃべりながら…眠いと言った十夜の黒い瞳がその言葉通り…ゆっくりと閉じられていく…… 激しく上下していた胸が………ピタリ…鎮まる。 「十夜………?」 ――――頬に添えられた手が…パタリと……落ちた……。