添えられた手に手を重ねて、苦痛に歪みながらも笑おうとする十夜の顔をボロボロと涙を溢しながら見つめた。



「人を…死にそうみてぇな顔で…見るな…よ。」



「だ…って…!すごい…血なんだよ…!?」



片方の手で押さえた腹部の傷からは尚も血が流れ…あたしの手はまるで赤い手袋でもはめたみたいだ。



服にも遠慮なしにしみがどんどんと広がる。



これをどう大丈夫だと思えばいいのかわからない。



「俺は……おまえの、笑ってる…顔……見る為に……急いで戻って…来たんだ…ぞ…?」



「十……!」



「ゴホ…ッ!!」



「……!!?」



――――コポリ…むせた十夜の口から血が溢れ出た。



「ぃ…ゃ……!やめ…て……!もう…喋らないで!!十夜……!!!」



必死に叫ぶあたしに十夜が荒い息をつきながらそれでも…笑う…。


「馬鹿……大袈…裟なんだ…ょ…。」



胸は激しく上下し、苦しいに違いない。









「…祈咲……」



「………!」












なのに十夜は……また、……優しく微笑んだ。