ただ縫いとめられたかのように見つめ合う二人を見ながら思った。
例え…触れ合う手がなくても
紫月さんが初めて触れる心花の心は…
きっと温かな愛に溢れてる。
見つめ合う二人の顔には幸せそうな温もりが見えた…。
だけど
「心花……身体が……」
サッと顔色を変え、わなわなと震える…紫月さんの絶望的な呟きが溢れた。
半透明な心花の白い身体は…更に色を失せ始めた……。
時は無情にもやっと逢えた彼等に…別れの時を告げ始める。
『もう……あまり時間がないみたい。』
――――心花の声はそれでも優しく…穏やかだった。