『血をかけることが…?あなた死にたいの…!?人狼の直感て意味がわからない…っ』



『俺達の誇るべき力をわかって堪るかよ…。

いいか?従った直感には必ず結果が付いてくる。…裏付けもな。


…このまま花を折っても、痛いとか話せなくなるってことはないか?』



『…大丈夫だと思うけど…』



中々しつこい百合の花に溜め息をつきながら、気になっていたことを確認すると説明してやることにした。



『…紫月は呪いの力を獲るために仲間の血を求め牙を染めた。

俺達の血の中に神の力が宿るんだ。
先祖を助けた神はその血を与え俺達一族に人ならざる力を植え付けたからな。


大量の血がおまえを甦らせる…。

それなら、俺個人の血を与えても…姿を現すことくらいなら出来るんじゃねぇか?

都合良く俺は一族随一の力を持つ黒だ。


…俺の血には強い神の力があるはずだ。』



『本当…に……?』



恐々とした様子の百合に一つ頷いてやった。



『……!』



そして月の光が百合に向かって一際明るく降り注いだ。