『……何してるの……!?』



赤に染まった白百合は驚愕に動揺した声をあげた。



俺は思っていたより傷ついた前足を舐めながら、中々止まることのねぇ血に顔をしかめた。



『先に謝ったろうが…わーわー言うな。』



顔をしかめたまま、おざなりに返事をする俺に百合はますます声を荒げた。



『そんなこと言ってるんじゃない!

あなた…とっくに怪我してるでしょ…?その時にだってずいぶん血を流してるでしょ…!?

また、こんなに……!!

どうしてこんなこと……っ』



『これでいいんだ。

俺の直感は外れない。

…これが、最善だ。』



きっぱりと言いはなち、見下ろす白百合の下にまた止まらぬ血がポタリ…落ちた。