「ぎぃゃあぁぁぁぁっ!!!」
ヌッと背後から現れたヤツに、およそ乙女とは思えない悲鳴があたしの口から出ていた。
「人を化け物みたいに…失礼な嫁だなー。」
あたしの悲鳴の元凶は耳に指を突っ込んで、五月蝿そうな顔をして……ニンマリ、余裕の笑顔。
「嫁じゃない。」
悔しいあたしが出来るのは、ほんの少しの憎まれ口だ。
でも、これが
この狼にはよく効くんだ。
チッ…と、苦い顔で舌打ちして美形な顔を不機嫌に歪める。
そして今日も始まる。
「だから、さっさと俺の嫁になりやがれ………。」
――――この狼の攻撃が。