どうしよう!!どうしよう…っ!?



相手は全部で…ごーろく…しち……はち………



8人もいるじゃないっ!?



どっからどう逃げるわけ!!?



街灯一個だけの暗い公園の中、ジリジリと後ずさるしかないあたしと



獲物を見て薄ら笑いを浮かべながらじわじわと近づいてくるヤンキー。



ギャハハ!!…なんて聞こえる耳障りな笑い声。



ウソだよね…?



あたし、



まだ…好きな人もいないんだよ…?



こんなことでバージンなくしちゃうの……?



下品な声に恐ろしい現実があたしの頭の中を恐怖でいっぱいにする。



本当に…なんてバカなんだろう……。



こんな時間に近道と言ってもこんな人通りのない公園を通ってしまうなんて。



ちゃんといつもの住宅街にある通学路を通るべきだったんだ。



どうして…何の迷いもなくこの公園を通ってしまったんだろう…。



そもそも、どうして大切なプリントを忘れちゃったんだろう…。



あれほど気をつけようと思ってたのに…



…やっぱりなんてついてない日。



ぽつんとある頼りない街灯の薄明かりのなか…あたしはただ立ち尽くした。












だけど、



――――これが廻り出した……“運命の序章”だったんだ。