「だからと言って…若様の花嫁をみすみす危険にさらすのか!?」
「しかし……っ」
狼達はざわざわと話し合い辺りは騒然としていた。
こんなこといつまでも話し合ってもらっては困る。
今すぐにでもあたしは十夜のとこに行きたいのに…!
気ばかり焦ってついイライラとしてしまう。
そんな中、一人沈黙していた橙枷さんが…歩み出るだけで周りを黙らせあたしと双子ちゃんの前に進み出た。
急にシン…とした空気にあたしは緊張を隠せずにごくと唾を飲み込んだ。
橙枷さんは二人の前に立ち、それぞれの顔を伺うように鼻先を近づける。
その仕草に二人も心なしか表情を強ばらせた。
「紅、蒼……
おまえ達が姫君に付き添うというのかな…?」
ゆっくりと問う橙枷さんに緊張した面持ちで紅ちゃんが頷いた。
「うん。絶対に姫君を守る……!」
蒼ちゃんもこくこくと頷いて…二人であたしを見つめて、……にっこりと笑った。
「「絶対、守ってあげる。」」
「紅ちゃん…蒼ちゃん……っ」