「ありがとう……!!」



「「くるしいよー、姫君~。」」



嬉しくて嬉しくて力いっぱい小さな狼を抱き締めた。



二人は非難の声さえ揃えて、子供特有の甲高い可愛い声で笑った。



「紅刃…蒼刃……。」



橙枷さんはそんな二人を呆然と見つめていた。



「か…勝手なことを…!

紫炎様の孫だからと言って子供がそんな口を出すものではない!!」



二人の登場に人狼達はまた口々に異義を唱え出した。



渦中の二人はそんな声をものともせず、互いに顔を合わせるとあたしを庇うように立ち塞がった。



「おじさん達、そんなに紫月を殺したいの?」



「若様に紫月を殺させたいの?」



「それは……!」



純粋な子供の疑問に大人達が言いよどむ。



二人は大きく愛らしい瞳をキッと吊り上げた――











「「俺達はそんなの絶対にいやだ!!

大好きな二人が傷つくのなんか……


死んでもやだ!!!」」



「「「………!!!」」」










そうだよ…そうだよ…



だって










「「俺達の絆を…信じてる……!!」」










この深い絆は



信じているからこそ生まれたはずだ。