必死に食い下がるあたしに、夕陽色の狼の瞳が揺れる。 「……っ!」 「姫君!?」 待っていられないあたしは思い切って扉に飛びつき外に飛び出した。 「あ……!」 開けた扉の外であたしの瞳に映ったのは… 真っ暗な闇夜にギラギラと光る色とりどりの無数の瞳――― 小さな離れの周辺全てを 人狼達があたしの行く手を塞ぐかのように取り囲んでいた。