あたしは石になったみたいに動けなくて



あたしを見つめる熱い黒い瞳をただただ見つめ返していた。



甘く狂おしい恋い焦がれているような……あの濃密な感情が甦る………



心臓は早鐘を打ち…壊れちゃうんじゃないかと思った。



顔が、熱い………。



あたし、今、絶対真っ赤だ。



――――すると



真神十夜がゆっくりとあたしに近づいて……あたしの顎に手をかけた。



「………だから……」



「………!!」



ドキドキドキドキ…!



近づいてくる綺麗な顔に、あたしの心臓はますます跳ね上がる……!



そして、真神十夜は口を開いた。









「俺の子供を産め。」



――――……。



「…………は……?」



その瞬間



ピタリと鎮まるあたしの心臓。



「…………っ!」



思わず作る握りこぶし。








「死ね……!!こ…っのっ、………ケダモノっ!!!」



「…………!!?」












そいつは迷いもなく、ケダモノの顔に叩きつけてやったよ。



迂闊にもときめいたあたしの心臓に詫びろ…っ!!