「……。」 目を覚ませば、そこは一面の白から暗闇へと変わっていた。 暗い狭い空間… ここは十夜と抱き合った真神の敷地にある離れだ。 寝起きの割に随分と冴えた頭でそう思った。 あたしの横には空腹を満たしたような黒い狼が、あたしの腰に太い腕を回してぐっすりと寝息をたてていた。 何もない部屋で寒くもなかったのは、この極上の毛皮のおかげだったんだ…。 大きな獣の寝姿に思わず頬が緩む。 気を許してくれてるような狼十夜の寝顔がなんだか無性に愛しかった。