胸の中に渦巻いたままの気持ちの悪い感覚……。
それは
俺の誇るべき力……。
――――厄介なもんだと嘲笑いたくなった。
知りたくねぇことまで
鋭い《直感》は、俺にそれを嫌でも伝えてくる。
ぐちゃぐちゃな思考を一本一本紐解くように繋ぎ………
それは何度も
16年前……俺以外の《黒き狼》に行き着く。
初めて聞いた。
数百年という時を経ずに稀な黒い毛皮を持った狼がいた……その事実。
死んだ…らしい、自らの運命の花嫁を甦らせようと
――――惨劇を繰り返した、男。
16年前
黒き狼
嫌でもそこに
――――自分との繋がりを見た。