「こちらを……。」



「………ふむ。」



橙伽が取り出した資料を受けとると、眼鏡を取り出しかけた。



そして写真を確かめると紫炎爺はいよいよ眉間にしわを寄せた。



《生まれ変わり》や《転生》などというオカルト的な表紙の古いものと……



ただ真っ黒なだけのそれほど古くも見えない本の写真。



けれど、その黒い本が一番…異様な雰囲気を放っているかのように見えた。



紫炎爺は迷うことなくその写真を手に取った。