呼びかけられた声に振り返れば、なんだか面白くなさそうな顔をした十夜がいた。
「どうしたの?」
「……………。」
それに十夜はますますムッと眉間のしわを深めてしまう。
「「~~~~っ」」
「…………?」
あたしにしがみつく小さな二つの肩が震えていて、思わず二人に視線を落とせば………
「~~~……もー無理っ!!あはははっ!!!」
「…………!?」
紅ちゃんが一気に吹き出して、あたしはわけもわからずポカン…………。
「~~~~!若様ヤキモチ焼きすぎだからぁ~~!!」
「えぇっ!?」
同じく吹き出した蒼ちゃんのセリフに驚いて十夜を見上げた。
十夜はますます面白くなさそうな顔をしてあたしを見てた。
そして、紅ちゃんと蒼ちゃんに向き直る。
「うるせぇぞ……双子。
紫炎爺が探してたぞ。とっとと挨拶してこねぇか。」
「ほんとっ!?蒼、急ごっ!!じぃじが呼んでるって!」
「うんっ!紅、急ごっ!!じぃじ待たせるの悪いもんねっ!」
双子ちゃんは『『またねー!』』と元気に挨拶をくれると一目散に駈けていってしまった。
あたしは小さな二つの背中を見送りながら、かけれるほどに元気になった二人を見て、胸がいっぱいになった。
涙ぐむ…そんなあたしに
「…………コラ。
いつまで双子見てんだよ………?」
「…………!」
ヤキモチ焼きな旦那様から―――不機嫌な声がかけられた。