「……ぅ……ひ…く……っ!!」
聞きたいことが山のようにあるのに止めどなく溢れる涙に、ついにはしゃくりあげるようにしながらただ十夜にしがみついた。
――――ここにいるあなたが夢でないことを確かめたくて。
十夜はあたしをきつく抱きしめたまま泣きじゃくるあたしの背中を優しく擦る。
「大丈夫だ。
おまえが心配することは何もねぇ……。
…鈴木も…紅と蒼も、無事だ。」
「………っ!!」
そしてあたしがいちばん知りたかったことを十夜は力強い口調で教えてくれた。
「もう離さねぇ……。
帰ろう……祈咲…みんな、待ってる。」
「……う…ん……っ」
穏やかな声にずっと強張ってばかりだった身体からストン…と一気に力が抜けた。
後はもう安心して……十夜にその身を委ねた……。