――――ガシャーーン……!!
「………!?」
響き渡る何かが割れた音に、あたしはガバッ!と起き上がった。
まどろみからはっきりと覚醒させられ、早くも心臓はバクバクと激しく脈うっていた。
上を見上げ飾り窓からは月が覗く……まだ時刻は深夜に違いなかった。
――――ガチャンーー!!
――――ドタドタドタ………!!
「………!!」
直も響く誰かの激しい気配を感じさせる荒れた音に、この別荘の中で何かが起きていることがわかった。
あたしと紫月さんしかいないこの別荘の中に……
――――誰か、いる……?
そう思った、次の瞬間―――
――――ガシャアァーーーン!!!!
「…………!!?」
飾り窓が激しく砕け散り
漆黒の生き物が、
――――飛び込んできた。