白い白い世界に響く……あたしのよく知る声。
あたしと同じ……その、声。
心花……あなたは、あたしの……?
聞きたいのに…声が、出ない。
だけど、声はすべてをわかってると言わんばかりに答えてくれた。
『……そう。ずっとマッテた。
どこにもいけないアタシは、アナタをとおしてすべてをみてきた。
きさ、……オネガイ。
アタシのオオカミを………すくってホシイ……』
切なくなるほどか弱い声があたしに向かってそう言った。
『あのヒトはたいへんなコトをしようとしてる。
でも……アタシはソレをのぞまない……。』
大変なコト……?
『……ソウ。
イケナイコト。
きさとアタシ…を……………――!
きさ、アタシのコトはいってはダメ。
…もうすぐアタシのオオカミがクル。
オネガイ…きさ、アタシのいとしいカワイソウなオオカミを………タスケ…テ…………』
……待って……!!
さらにか弱くなってゆく声に必死で呼び掛けようとした。
だけど、どうしたって出ない声が発せられることはなく……
あたしの意識は次第に遠のいていった―――――………
「………。」
「…なんだ。……起きたのか?」
覚醒したあたしの目の前にいたのは
「……紫…月……さん………?」