慌てる俺に遠い目をしながら



「何を馬鹿な。

姫君につく貴方様の香りですぐにわかります。」



「…あぁ…なるほど。」



納得したものの



…つーか、それじゃあいつヤったか常にバレバレじゃねぇか。



祈咲にバレたらすげぇ怒りそう…。



思わず冷や汗な思いがした…。



橙伽はそんな俺にお構い無しにまた口を開くと



「紫炎様の薔薇と若様との情事が、すべてを良き方向へと導く直感的行動となりました。」



「……!!」



自信たっぷりに夕日色の瞳を煌めかせ、不適に笑った。