「誠に大した暴れようで…。」
「…うるせぇ。」
俺の傷の手当てをしながら橙伽は嫌味を込めてそう言うと俺を見た。
それにそっぽを向いて視線をそらす。
「…んなことはどうでもいいんだよ。
…とっとと話しとやらを聞かせやがれ。」
それに気にする様子も見せず、橙伽は笑顔を浮かべた。
「まさに我々は直感により運命が廻るのですよ?……若様。」
「~~~~!……勿体振りやがって!!
はっきり言え!!」
漠然としたそのセリフに意味がうまくわからずにイライラとして憎らしい男を怒鳴りながら睨み付けた。
橙伽はわざとらしく溜め息をつくと
「全く口も素晴らしくよろしいようで……。
私はそのような言葉遣いをお教えした覚えはないのですが。」
チロリ…呆れるような瞳を俺に向けた。
「う る せ ぇ !!」
コイツだけは本当に……っ!!
いまいち頭が上がらない教育係という肩書きまで持つ男に赤くなって怒鳴っていた。
それでも橙伽はどこ吹く風で、涼しい顔をして薬箱を片付けていた。