「詳しい話はまた明日だな。…今日はもう遅い」



「う…うん…」



素直に頷いて…そう言えばすっかり忘れてたけど、今って何時!?



「やば…っ!!プリント……っ」



気がつけばぐんぐんと現実が迫ってきて…あたしは慌てて回りを見回すと今日の目的だったはずのプリントを見つけて拾いに走る。



プリントは公園のゴミ箱の横に、まるで捨て損ねたゴミのように丸まっていた。



あぁ…みごとにグシャグシャ……。



悲しい気持ちでしわを伸ばし、土に汚れた部分を手ではらった。



せめてバック持ってこようよ…あたし。



どんだけ慌てて家を出たんだろうか。



どこまでもバカな自分が情けない。



一人落ち込むあたしにするりと狼が寄り添った。



「また襲われたらかなわねぇからな。送っていく」



「………」



それって…



「送り狼……?」



「上手いこと言ってんじゃねぇぞ」