結局、萌花には会わせてはもらえなかった。
だけど、無事に送り届けたと…そう言われた。
――――ジャラ…身動きする度に重い金属音がして動きづらい。
あたしは足首に鎖を填められて、見るからに囚われの身になった。
「……最悪……。」
何度もあたってみたり引っ張ってみたりしたけど、自分の手や足が痛くなるだけで無駄な抵抗だと気付いて止めた。
こんなことまでして………
紫月さんはあたしに何を望むの……?
「おや、鎖を外すのはもう諦めたのかな……?」
「…………!!」
扉にもたれかかり腕組みをして…紫月さんがあたしを見ていた……。
ゆったりと微笑むその瞳に、温かなものなんて微塵たりともありはしなかった。
――――だからわかった。
この人は間違いなく、あたしを憎んでる………。