「……俺が感づいた時点で……アイツはもう次の計画を練ってるよ……。
どうせ想定の範囲内ぐらいに思ってやがるに違いねぇんだ。」
そういうヤツだと苛立たしげに吐き捨てて、またあたしに視線を移す。
「…だから馬鹿なことは考えんな。」
「………っ。」
黒い瞳が責めるようにあたしを捉えた。
スカートを両手でぎゅっと握りしめて、強い瞳を見つめ返すことが出来なくて…俯いた。
「いいか、祈咲…
鈴木のことは灰斗だって死に物狂いで追ってる。
他の仲間も…だ。
ありとあらゆる手を尽くす。
…おまえは俺を、信じろ。」
「………っ!」
勢いよく顔をあげて、真っ直ぐな黒い瞳と目が合った。
絶対に嘘をつかない十夜……。
あたし、知ってるはず…だったのに。