「………っ!」
覆い被さっていた十夜は、そのままあたしの首筋に歯をたてた。
痛くはないけど、獲物の首筋に食らいつく狼そのもののような仕草に…ゾク…と言い知れない感情がわいてくる……。
「………と、十…夜……?」
「…………。」
そのまま一向に喋らなくなった十夜に微かな不安が過って、あたしは十夜を震える声で呼んだ。
「…………。」
ゆっくりと
顔をあげた十夜は
「………十…夜……?」
「………っ。」
怒っているような
今にも、泣いてしまいそうな…顔で……
「…………っ、
ざけんじゃねぇぞ……!!!」
「………っ!!」
あたしを初めて…………怒鳴った。