掠れた声は色っぽい……。
ひたとあたしを見据える瞳は潤んでいて
あたしを押さえつける腕は熱かった……。
「……後悔しねぇの……?」
「……しない。」
きっぱりと言って、あたしを見据えて細められた綺麗な瞳を見つめ返した。
後悔になるとすれば、今、あなたに抱かれずに行くことだけ。
間違いなく……あたしは十夜のモノだから……。
全部刻み付けて……
絶対に揺らがないあなたのモノだって証が欲しい。
「途中で止めてやれるほど、器用じゃねぇぞ……?」
「………っ。」
あたしの頭を優しく撫でて、髪に触れて…首筋を指でなぞる……。
そのままそこに顔を埋めて……十夜の熱い唇が…ちゅ…と音をたててあてられる………。
「………ン…!」
ゾクゾクすりような感覚に自分の知らない声がもれる。
「…祈咲……。」
黒い狼は、黒く煌めく瞳を輝かせ…
今すぐにでも、食らいつきたいのを堪えてる。
だから
「……早く……っ、あたしを食べて……!」
「………!!」
その、鎖を外すのは……あたし。
あなたにすべて食べられてしまいたい。