『やぁ、久しぶりだ………。憎くて愛しい姫君………』 ケータイから聞こえてくる美声に、ゾッ…と全身に鳥肌が立った。 震える手から滑り落ちていきそうなそれを必死で握りしめた。 「…紫…月さん……。」 小さな声で……それだけをつぶやいていた……。 『さぁ、姫君……大切な話をしよう……? 君の黒い狼がいないうちに………。』