「…そうでしたか……。二人がそんなことを……。」
「…はい。すごく、嬉しかったです。」
あたしは橙伽さんに二人のことを話していた。
橙伽さんは優しげな笑顔を浮かべながらそれを聞いていた。
それはまるで、子供の成長を喜ぶお父さんみたいな顔だった。
「……やはり、姫君にはお礼を申し上げなくては……。」
全ての話を聞き終わった橙伽さんはあたしを見つめてまた…そう言った。
「いいえ……!お礼を言うのはあたしなんです!」
あたしは戸惑って首をぶんぶんと振った。
「いいえ。貴女がいてくださったから……。
あの子達は大好きな人を失って、それは落ち込んでいたのです。
けれど…大好きな貴女の為に、貴女を守りたいと…彼らなりに考えたのでしょう。
あの子達は、優しい貴女が大好きなのです。
あの子達の成長にきっかけを与えてくれたのは…………貴女だ。」
「………っ!」