「…………っ。」
「…………姫君?」
零れそうになる涙を乱暴なくらい服の袖でぐいっと拭った。
それから心配そうな橙伽さんに、にっこり笑顔を向けた。
「お礼を言うのはやっぱりあたしの方です。
逆です……!あたしがあの子達に、元気を貰いましたから……!」
「………!」
きっと、他にもたくさん傷ついた人がいる。
だけど、みんなそれを隠して強くなろうとがんばってるんだ。
もう……負けない……!
『…もう《ぼく》はやめる。
……そつぎょうすんの。』
『おれたちが守ってあげる!』
『『……だから姫君、笑って!』』
どれだけの思いが込められた言葉だっただろう。
小さな騎士達は……
その小さな胸に、大きな強さと優しさを持って
あたしの心ごと救ってくれた。