散々泣いても、胸の痛みは消えてはくれなかった。



十夜が用意してくれていたあたしの部屋に入って、一人ぼんやりと窓から見える月を見た。



今日の月は満月には少し遠い……



少し欠けたその月は、あたしの心を映しているかのようだった……。



考えることがありすぎて、纏まらない。



ふ…と、ため息をついたそんな時―――









「「ひーめーぎーみーーーっ!!あーそーぼぉっ!!」」



「………!」



綺麗にシンクロされた可愛らしいその声と同時に襖が開き、



「遊びにきたよー!」



「いっしょに遊ぼ!」



可愛い双子が、笑顔で現れた。



「紅ちゃん……蒼ちゃん……。」



思わず、つぶやくように名前を呼べば



「「…当たり~~っ!」」



二人はいたずらっ子の顔で、にんまり笑った。