大体……っ、
「…紫月さん、あたしのストーカーって何なのよっ!?」
そう。
十夜と橙伽さんは、大急ぎで帰ってきたあたしのパパとママに――
自分はあたしの彼氏で……(これは間違ってないけど)
タチの悪いストーカーに付きまとわれているあたしが心配でならない…なんて話しを口頭でかました……!
自分の立場をやんわり説明して、そこいらの警察よりよほど頼りになるんだと両親を信じ込ませ……
ストーカーから守りたい、一人になることが多いあたしが心配でならない……なんて切々に訴えて……。
『なんてしっかりした若者だ……!』
『そんなにまで祈咲を思ってくれているなんて……!』
『『娘をどうかよろしく!!』』
『ちょ…っ!!?』
『…もちろん。お任せを……。』
美麗な微笑みまで浮かべて、十夜はまさに完璧だった。
ほんと…十夜の猫かぶりっぷりったらなかったわ。(狼のくせに)
遠い目で思い出すあたしに、十夜はフンッ!と不機嫌に鼻を鳴らして
「…あんなのはストーカーで十分だ。あながち間違ってねぇ。」
「…………。」
それには、うまい返事…見つからないなー…なんて。