部屋に入ると、十夜はフ…と、息をついた。
きっとずっと…気を張ってたんだ。
「疲れただろ…?こんなことに巻き込まれて……。」
それでも十夜はあたしのことばかりを気遣って………。
「…………っ。」
あたしは俯いていた顔をキッ!と上げて、睨むように十夜を見上げた。
「………祈咲…?」
そんなあたしに驚いたのか、十夜はパチパチと瞳を瞬いてあたしを見ていた。
「十夜はここ!」
あたしはソファの端っこに座ると、ぽんぽんと自分の膝を叩く。
「祈咲…っ。それは……その……まさか………」
戸惑う十夜の顔にちょっとの焦り。
「いいから来なさい!」
「…………!?」
焦れたあたしは十夜の手をグイッと引っ張り、十夜の頭をあたしの膝に乗せた。
「嬉しいけど………何でだよ……?」
いきなりの膝枕に、赤い顔で戸惑う十夜の頭を撫でて
「あたしには遠慮なく甘えるんでしょ……?」
「…………!」