「はじめまして。真神紫月と申します。」
それはあまりに突然の出会いだった。
あたしの前に突然現れた新たな《真神》。
深い深い菫色の瞳を持つ大人の男の人。
長身で少し中性的にも見える…どこか冷たい美貌。
まるで十夜がいないのを狙っていたみたいに、一人で帰った学校の帰り路で、その人は現れた。
真神の人には以前にも会ったことがある。
美形揃いの真神家の人達…だけど、気さくで温かい人達ばかりだった。
――――でも
「お会いしたかった………。
……花嫁…?」
「…………!!」
彼がその美しい美貌を妖しく煌めかせるように……ニィ…と笑った時……
あたしの中に生まれたモノ。
「い、いや……。」
「姫君……。貴女は『本当』は、誰の《運命の花嫁》なのだろうね………?」
体をすくませるような恐れと
胸を締め付けるような……切なさ………。
「……十夜………。」
どうしよう………。
怖い―――